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数ヶ月前にランドスケーププロダクツの中原慎一郎さんから「鹿児島と種子島に行きませんか?」とお誘いいただきました。アメリカの陶芸アーティスト、アダム・シルバーマンさんを案内するというので、ご一緒させていただきました。

初めて行く種子島。どんな島なんだろう。

フェリーを降り、レンタカーでまず向かったのが、今回『楽食住』展での展示をお願いすることになる、野口悦士さんが守る種子島焼の窯元。種子島焼と書いてある小さな看板の脇の細い坂道を下りていくと、南国らしく熱帯植物が生い茂るなかにその窯元がありました。

「こんにちは」とさわやかな笑顔で迎えてくれたのが、陶芸家の野口悦士さん。想像していたよりラフでやさしそうな笑顔が印象的です。以前はサーフボードを削っていたシェーパーだったという変わった経歴を持つ野口さんは、海を連想させるような伸びやかさとやさしさのある方でした。

さっそく中原慎一郎さんと編集者の岡本仁さん、アダムさんたちと一緒に種子島焼の登り窯を見せていただきます。

これが野口さんが守る種子島焼の登り窯。野口さんは独自の火入れの方法を編み出したそうです。

窯を炊き上げるために、数日かけてたくさんの薪を切っておくそうです。これは大きな木を切る機械? なのかしら。一度、登り窯の火入れに立ち会うのが夢です。すっごいんだろうな……。

種子島焼の窯元を最初に作ったのが、「隆太窯」の中里隆先生。お会いしたときにまず「うわ! よく器の本でお見かけする方だ….」って、心の中で思いました。すっごい巨匠なのです。

種子島には以前、熊野焼きがあったらしく、中里先生はそれを復興させようと昭和45年に種子島に移り住み、数年かけてこの窯を作ったそうです。現在でも中里先生は、唐津の隆太窯をベースにしながら、1年に1ヶ月〜2ヶ月ほどここに滞在して作陶しているとのこと。

父が持っていた器の本でもお見かけした中里先生にお会いするのは緊張しましたが、実際にお会いするとすっごくカジュアルでチャーミングな方。某雑誌の取材を受けているかと思ったら、突然、港に行ってしまって。どうやら船が着くのに合わせてお魚を取りに行ったようです。戻ってきたかと思えば割烹着を着て、夜の宴のために魚を捌き出す……。

中里先生のこの割烹着姿に、かなり萌えました。魅力的な先生です。

野口悦士さんはシェーパーを辞めた後、種子島焼を知り、種子島に来て、陶芸を学び始めます。中里先生のお弟子さんのひとりにあたるのです。

野口さんが今、ハマってらっしゃるのが器作りの間の息抜きのピザ。「種子島で食事するなら、ぜひ、ウチのピザをみんなで作りながら食べませんか?」とお誘いくださり、野口さんと中里先生が自らピザをお昼に作ってくださいました。

登り窯の脇に簡易ピザ釜が作られてあり、これで焼いてくださいました。

野口さんのお仕事場に併設されてるギャラリー。あれも、これも、ほしくなる……美しくやさしく凛とした器たち。

ギャラリーには若き日の中里先生の姿。中里先生を尊敬してやまない、そんな野口さんの想いが感じられます。

野口さんたちが振る舞ってくださったお夕食も美味しかった! 野口さんの器たちに盛られて出てくるのですが、使わせていただくとまた違った見え方がして、こんな使い方があるんだぁ……と、すっかり帰りは荷物が増えてしまいました(笑)。

そして、これらがウチにいる野口さんの器。

やはり、使ってこその器ですね。使いやすくしっかり焼きしめられていて、美しくやさしく凛としている。野口さんの器が私の日常に入ってきて、より野口さんの器の用美も兼ねた素晴らしさを色々な方にご紹介したい……と今回、『楽食住』での展示をお願いしました。

昨夜、展示に先駆けて、野口さんの器を使った食事会を開催しました。写真は野口さん(左)と中原慎一郎さん(右)。実際に使ってみてからわかる魅力も多く、みなさんたくさん器をオーダーされていました。

種子島、また行きたいな。次は火入れに立ち会ってみたい。

器は本当に日常に感じるアートでもあり、道具でもある……。


『楽食住』内での野口さんの展示『野口悦士さんと種子島の愉快な仲間たち』は、2015年11月14日(土)〜11月22日(日)まで。鉄分の多い土を生かした、うわぐすりを使わない焼〆が中心のぬくもりある器と、種子島産の食材やプロダクトに触れられる貴重な機会です。11月14日(土)11時〜18時は野口さんも在廊予定。ぜひいらしてください。

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vol.1 憧れのフレッシュバターメーカー
vol.2 短時間でコクを出す、夏のカレーレシピ
vol.3 高千穂で出会ったパワースポット
vol.4  萩原卓さん、久子さんご夫妻を訪ねて藤枝に
vol.5  愛用している道具を集めた「福田商店」
vol.6  岡本敬子さんと行く鹿児島旅 [その1]
vol.7  岡本敬子さんと行く鹿児島旅 [その2]

vol.8  アメリカ旅行で見つけたDIYパーツ
vol.9  お歳暮を贈る意味

福田 春美

セレク卜ショップのバイヤー、プレスを経て、アパレル企業のクリ工イティブディレクターを歴任。現在、EDIT LIFEディレクターの他、World のライフスタイル・ストア「Corte Largo」のストア&クリエイティブディレクションを担当。また愛媛のデリカテッセンなどのストアディレクション、香りとホームケアブランド「a day」の立ち上げ等を手掛けている。

のぐち・えつじ
慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、1999年に陶芸家を志して種子島に移住。2006年、中里隆氏に師事。2007年、中里隆氏と二人展を開催。現在は種子島で作陶。

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